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57ビタミン薬

 皮膚科でよく使われるビタミン薬を紹介します。

 なお,ビタミンの多くは取りすぎても尿として排出されるので問題はないのですが,A・D・E・Kは取りすぎた場合体内にたまっていき,過剰症が問題となることがありえるので,要注意です。

下線は当院で処方が可能な薬剤です。カッコ内はジェネリック医薬品(安い)です。

 

ビタミンA・レチノイド

 チョコラA ビタミンAです。角化性皮膚疾患に用います。

 チガソン ビタミンAと類似したもので,乾癬などに用います。催奇性が男性にもあり,唇が荒れたり寝汗・倦怠感を来すなど,副作用が多く,注意が必要です。

ビタミンB2

 ハイボン にきびや口角炎に効きます。

ビタミンB6

 ピドキサール やはりにきびに効きます。口角炎にも有効な場合があります。

ビタミンB12

 メチコバール 帯状疱疹後神経痛に使われます。帯状疱疹はウイルスが皮膚のみならず神経を食い荒らす病気なので,神経の修復を促す効果があると考えてください。即効性のある薬ではないのですが……

ビタミンC

 ハイシー しみに効果があります。また,毛細血管からの出血を止める効果があるため,あざができる病気すなわち老人性紫斑・アナフィラクトイド紫斑などにも使われます。炎症後の色素沈着にも効果があるので,アトピー性皮膚炎などに処方する場合もあります。

ビタミンE・ニコチン酸系

 ユベラニコチネート(ニコビタE) 血流の改善に用います。皮膚潰瘍などに使われます。

ビタミンH

 ビオチン 湿疹に効果があるとされていて,乾癬にも効果があるという説もありますが,効果ははっきりしません。