03紅皮症
<この項で出てくる主な疾患と簡単な診断法>
紅皮症:全身の皮膚が赤くなり,かゆみも伴う。アトピー性皮膚炎や薬剤が原因で生じる。血液やリンパの癌が原因となることもある。
<詳説>
紅皮症
紅皮症とは全身の皮膚が潮紅し,そう痒を伴う症状です。落屑も目立ちます。しばしば脱毛,爪変型,リンパ節腫脹を合併します。長期経過で色素沈着も生じます。原因は下記の通りいろいろありますが,皮膚・リンパ球あるいは他臓器の悪性腫瘍が原因となることがあるので,要注意です。
紅皮症の原因
皮膚炎:アトピー性皮膚炎,接触皮膚炎,脂漏性皮膚炎・新生児落屑性紅皮症(脂漏性皮膚炎のひどいもの),うっ滞性皮膚炎,慢性光線過敏性皮膚炎・光線性類細網症,薬疹
角化異常症:乾癬性紅皮症,毛孔性紅色粃糠疹,水疱型魚鱗癬様紅皮症,葉状魚鱗癬,Reiter症候群
GVHD:扁平苔癬,薬疹(TEN型,Steven-Johnson症候群)
感染症:ブドウ球菌性中毒性表皮壊死剥離症(新生児剥離性皮膚炎),汎発性白癬,ノルウェー疥癬
悪性新生物:菌状息肉症,Sezary症候群,リンパ腫,成人型T細胞性白血病・リンパ腫(ATL),白血病,Hodgikin病
その他:老人性紅皮症,内蔵癌に伴う紅皮症(肺癌,直腸癌),AIDSに伴う紅皮症(脂漏性皮膚炎,乾皮症,魚鱗癬,薬疹)